
熟成されたおいしい赤身肉
宮崎・鏡山牧場の八崎牛
鏡山牧場は、日豊海岸を望む標高645m、東京ドーム約13個分の広大な敷地で、草だけで育てる牛肉=グラスフェッドビーフを生産しています。
経産の黒毛和牛を5か月の放牧でグラスフェッドビーフに

鏡山牧場は、日豊海岸を望む標高645m、東京ドーム約13個分の広大な敷地で、草だけで育てる牛肉=グラスフェッドビーフを生産しています。
グラスフェッドビーフを熟成させ、旨味を増して出荷

牧場主の八崎秀則さんがめざすのは、霜降り肉ではなく「赤身肉」です。経産の黒毛和牛を放牧し、5か月の放牧で余分な脂肪を落とし、おいしい赤身の肉に育てます。
鏡山で放牧されて過ごす牛は、自由に牧草を食み、運動し、体を引き締めています。この飼養方法により、健康的で旨味が凝縮したお肉が生まれます。
草だけで育てた赤身の強い肉は熟成庫に入れられ、ドライエイジングをかけて熟成、旨味を増してから出荷します。

経産牛だからこそ、味と香りが濃く、旨味があっておいしい

経産牛とは、出産を経験した雌牛のことです。日本では、雌牛の出産回数が多くなると味が落ちるとされますが、鏡山牧場の牛は違います。仕入れる牛は、出産を経験した8歳前後の経産牛。若い牛に比べて、濃厚な味わいを持っています。
生肉の赤身は濃厚な小豆色、脂の色は牧草のカロテンが溶け込んで黄色がかり、みずみずしさは他の牛肉にないものです。

放牧で育った八崎牛は、噛めば噛むほど味わい深く、「これぞ肉」と思わせてくれるおいしい肉です。「年齢を経た経産牛の方が味も香りも濃く、旨味があっておいしい」というのが、鏡山牧場の肉を味わった方の評価なのです。
牧場ではぐくまれる八崎牛の、おいしい赤肉

牛には個体差があります。体型も、体質も、牛それぞれです。
牛として生きているときも、肉として熟成するときも、鏡山牧場のスタッフは一頭一頭に向き合っています。

市場で仕入れた牛はすぐに放牧することはできません。牧場に来るまでは牛舎で飼われているので、放牧はもちろん、地面から生えている牧草を食べることにも慣れていません。そのため、放牧環境で過ごしていける状態までじっくりと慣らします。
放牧に慣れてくると、牛の顔つきは穏やかになり、人間にびくびくしなくなります。そして、斜面を自由に動き回り、どんどんたくましくなっていきます。
牛は、出荷の前日まで放牧されています。牛舎で餌を食べさせる最終仕上げは行わず、最後の日まで牧野でのびのびと過ごします。こうして、余分な脂肪のない、最高においしい赤肉になるのです。
仕上げは水分調整をして熟成肉に

放牧で過ごした牛の肉には個性とばらつきがあります。それらの肉を、よりおいしいストライクゾーンに持っていくのが熟成技術です。

八崎牛の熟成では、カビを付着させることなく、旨味を引き出す水分調整だけを行います。経験豊富なスタッフが日々牛肉と向き合い、研究を重ねて、最高の肉を出荷しているのです。
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熟成肉に使われている「赤身肉」とは?

「熟成肉」は、生肉を一定の期間、低温で寝かせて熟成させた肉のことをいいます。熟成によって肉の旨みが凝縮して柔らかくなることが注目を浴び、調理技法としての「熟成」が研究されるようになりました。
もともとは、冷蔵冷凍手段がなかった時代に、肉を干して保存したことが始まりとされています。
熟成肉になる代表的な部位
一概に「牛肉」と言っても、部位によって風味や食感が違うのはご存知のとおり。部位の特徴自体は熟成しても大きくは変わりませんが、熟成することでお肉の風味やうまみは変わります。

一般的に赤身肉は、脂身が少ない部位の肉のことです。熟成に使われる赤身肉の中で代表的な部位はこちらです。
肩
赤身肉の中でも、やや硬めの肉肉しい食感が特徴的な部位です。
ほどよい脂が乗っていて旨みが強く、ステーキや焼き肉などで親しまれています。
カロリーは高めですが、栄養豊富で高たんぱく質なのでダイエット中の方にもおすすめですよ。
ヒレ
赤身肉の中で最も柔らかい部位で、「お肉の女王」とも呼ばれています。
背骨の腰に沿うようにある棒状のブロック肉で、背骨の両側にしかないため、1頭から3%程度しか取れない希少部位。
脂身が少ないきめ細かな肉質で柔らかく、肉本来の旨み・甘みをあじわえるのが特徴です。
ステーキをはじめ、ローストビーフやヒレカツなどで食べられています。
モモ
「THE・赤身肉」といわれるほど定番なのが、モモ肉。牛肉の中でも最も脂身が少なめで赤身でも比較的柔らかいため、脂を避けて赤身肉を食べたい方におすすめの部位です。
薄切りにして、すき焼きやしゃぶしゃぶに。 厚切りであれば、カレーや煮込み料理に最適です。
ランプ
モモより柔らかく旨みが強いのが、ランプ肉です。
味が濃く比較的ヘルシーなため人気ですが、1頭から摂れる量はわずかで希少部位となっています。
熟成肉の起源
「熟成肉」は、生肉を一定の期間、低温で寝かせて熟成させた肉のことをいいます。もともとは、冷蔵冷凍手段がなかった時代に肉を干して保存したことが始まりとされています。熟成によって肉の旨みが凝縮して柔らかくなることが注目を浴び、調理技法としての「熟成」が研究されるようになりました。
適切な温度管理と計算された熟成期間によって、微生物の繁殖がコントロールされ、おいしい「熟成肉」になるのです。
ドライエイジングの発祥
「ドライエイジング」は、その名の通りの「乾燥熟成」。熟成肉の製法として主流となっているこの方法は、1980年代にアメリカで始まりました。
お肉の文化が強く根づいているアメリカでは、日本のサシ(霜降り)の入った柔らかな和牛とは違い、しっかりと噛み応えのある赤身肉が食べられています。「赤身肉をいかに柔らかく、おいしく食べるか」というのが、熟成肉の出発点となっています。
アメリカで産まれたドライエイジングは、おおまかに3つの条件が必須になります。
一定の温度を保つ
一定の湿度を保つ
風を循環させ、お肉を乾燥させる
しかし、この3つの条件がそろっていれば誰にでも作れるものではなく、その他にも細かな条件があって、豊富な知識と高度な技術が求められます。
さまざまな条件をクリアして熟成されたお肉は、水分が飛んで質量は減るものの、たんぱく質が分解されアミノ酸(うまみ成分)へと変わり、肉質が柔らかくなるのです。
水分と微生物 - 熟成肉に赤身肉が使われる理由
赤身肉には脂身が少なく、水分が多く含まれていることに加え、熟成肉を作る上で欠かせないのがタンパク質をアミノ酸に変える「微生物」です。
熟成が進むにつれ牛肉中から放出される水分量が減って行き、表面がしっかり乾ききってしまうためその水分を必要としていた微生物たちが自然と死滅していきます。
これが熟成期間の一つの目安です。肉の風味を増し、味わい深く変化させるのが、熟成の技術なのです。
カロリーが控えめで鉄分豊富なうえに味もおいしいので、ダイエット中や筋トレ中の選択肢としてもおすすめ。
出典:肉匠 さの萬HP
赤身肉がヘルシーだと言われる理由

牛肉の中で脂肪の多いバラ肉は100g当たり約500kcal。これに対して赤身のモモ肉は100g当たり約250kcalで、カロリーが半分に抑えられています。
赤身肉の赤色は、筋肉に多く存在している色素たんぱく「ミオグロビン」の色です。ミオグロビンは酸素を蓄える役割があり、たんぱく質を増やし筋肉を作るのに役立つため、消費カロリーが多くなることに繋がります。
さらに、赤身肉には脂肪燃焼効果のある栄養成分「L-カルニチン」も含まれています。L-カルニチンが不足すると、脂肪をエネルギーとして利用できなくなり、体が疲れやすくなってしまいます。
低カロリーであることに加え、筋肉をつくる「ミオグロビン」や脂肪燃焼効果のある「Lカルニチン」などの栄養素を含んでいることが、赤身肉がヘルシーと言われる理由です。
「低脂質・低カロリー・高たんぱく」という、理想的なバランスも、赤身肉の魅力といえるでしょう。
栄養たっぷりの熟成赤身肉
赤身肉に含まれる必須アミノ酸や鉄分、亜鉛、ビタミンB12栄養素について。
必須アミノ酸
人の体は約20%がたんぱく質で構成されているため、健康な体を保つためには良質なたんぱく質が必要不可欠です。
人の体のたんぱく質を構成している20種類のアミノ酸。
中でも「必須アミノ酸」と呼ばれる9種類のアミノ酸は体で合成できないため、食事から摂る必要があります。
アミノ酸を摂取する際にポイントとなるのが、「すべてのアミノ酸をバランスよく摂らないと吸収率が落ちる」ということ。アミノ酸のバランスは「アミノ酸スコア」と呼ばれています。
アミノ酸スコアは 100が最も優れている評価で、赤身肉のアミノ酸スコアは100。
赤身肉はアミノ酸をバランスよく摂取するために最適な食材のうちの1つなんです。
鉄分
赤身肉には、血をつくるのに欠かせない重要な栄養素である鉄分が豊富に含まれています。
鉄分は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類に分けられます。
鉄の多いイメージのあるほうれん草やモロヘイヤなど植物性の食品に含まれる鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれ、鉄がむき出しになっているため吸収率が悪いのが特徴です。
赤身肉に含まれる鉄分は、鉄がたんぱく質におおわれている動物性食品の「ヘム鉄」なので、非ヘム鉄と比べると腸からの吸収率が10〜30%も上がります。
ヘム鉄は、赤身肉のほかにも煮干しや赤身魚から摂取することができます。
参考: 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「鉄」 東北大学大学院医学系研究科血液・免疫病学分野 張替 秀郎「鉄代謝と鉄欠乏性貧血―最近の知見―」
亜鉛
不足すると味覚症状や老化を招くと言われている亜鉛には、牛肉に含まれる2つのアミノ酸「シスチン」と「ヒスチジン」の吸収を助ける働きがあります。
体の中で形を変えた動物性たんぱく質を全身にくまなく行きわたらせる働きもしており、たんぱく質の合成・分解など、新陳代謝において重要な役割を果たしています。
赤身肉の亜鉛含有量は100g中5.7㎎。
鶏肉0.7mg・豚肉1.8mgと比較すると、いかに亜鉛が多く含まれているのかが一目瞭然ですね。
ビタミンB12
現代人に多くなっている貧血の予防を語るとき、神経や血液細胞を健康に保つのに役立ち、血の巡りを良くする働きがあるビタミンB12は欠かせません。
葉酸と一緒に食べると効果の上がるビタミンなので、ほうれん草など鉄分の多い植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」と合わせるのがおすすめです。
特にモロヘイヤは葉酸が多いので、焼いた赤身肉に添えて食べれば鉄不足に役立ちます。
ビタミンB12は体内で腸内細菌によって合成されるため欠乏状態にはなりにくいですが、不足すると血をうまく作れなくなり、貧血に陥ってしまいます。
鉄分や葉酸と上手く組み合わせてビタミンB12を摂取することで、貧血を予防し、血の巡りがよくなるとされています。
ダイエットに効果的な3つの栄養素
高たんぱく
赤身肉は高たんぱく質な食材で、牛バラ肉と比べると約1.5倍ものたんぱく質が含まれています。
たんぱく質は筋肉や内臓を作るための栄養素で、免疫力を維持させ健康的な体を保つために必要な栄養素です。
たんぱく質が多く含まれている赤身肉を摂取することで、筋肉がつき、太りにくく痩せやすい体を作ることができます。
たんぱく質は筋肉や内臓を作るための栄養素で、免疫力を維持させ健康的な体を保つために必要な栄養素です。
たんぱく質が多く含まれている赤身肉を摂取することで、筋肉がつき、太りにくく痩せやすい体を作ることができます。
L-カルニチン
赤身肉に含まれるL-カルニチンは、脂肪をエネルギーに変えるときに手助けをしてくれる役割をします。
L-カルニチンが脂肪と結びつきエネルギーに変わることで脂肪が体内で消費されるため、L‐カルニチンが多く含まれている赤身肉はダイエットにはピッタリの食材なのです。
ヘム鉄
ヘム鉄は貧血予防に効果的な栄養素です。
鉄分が不足気味になると貧血を起こしやすいというのはよく聞く話ですよね。
ヘム鉄は鉄分の中でも吸収率が高く、ほうれんそうなどの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」と比べると最大で17倍も効率的に摂取することができます。
ヘム鉄を多く含む赤身肉は、体に不足がちな鉄分をしっかりと補給してくれる、まさに救世主のような食材です。
出典:八崎牛